儲かる会社と儲からない会社の違い②

「節税」と「借入」の勘違いが、キャッシュを奪う

前回は、「利益が出る仕組み(稼ぐ力)」についてお話ししました。
今回はもう一歩踏み込み、「キャッシュ(現金)が会社に残るかどうか」という視点で現在地を
整理します。

利益は出ているのに、なぜか手元にお金がない会社。
着実に現金が積み上がっていく会社。

この差は、意外にも「節税」と「借入」に対する考え方に表れます。

「節税」が目的になると、会社は弱くなる

儲からない会社ほど「節税」に執着し、儲かっている会社ほど「適正に税金を払う」ことを厭い
ません。
もちろん、無駄な税金を払う必要はありません。しかし、節税そのものが“目的化”すると、経営
に本末転倒が起きます。

典型的な罠が、「税率30%」という思い込みです。
中小企業の実効税率は、条件によって概ね23%前後になることも多いのです(※目安)。
つまり、税金を払っても「手元には7割強のキャッシュが残る」計算になります。

ところが、この「残るはずのキャッシュ」を、使い切ってしまうケースが後を絶ちません。

  • 役員報酬の引き上げ(個人の税負担増)
  • 不要な設備や備品の購入
  • “節税目的”の過度な保険加入

結果として手元の資金が枯渇し、銀行から借り入れて利息や保証料を払う。これでは、何のため
の節税か分かりません。

「普通に税金を払った方が、結果的に会社が強くなり、キャッシュも残る」というケースは、実
は非常に多いのです。

「借入は当たり前」…その“枠”が危ない

「中小企業は借入をして当たり前」。これは、正解でもあり、不正解でもあります。
未来の成長のための投資や、不測の事態に備えるバッファ(余裕)のために資金を調達するのは
「正解」です。

一方、儲からない会社は「借りられる枠があるから借りる」という罠に陥りがちです。
手元に余力があると、金融機関から様々な提案が持ち込まれます。資金があると人はつい気が大
きくなり、不要な投資、過剰な保険、会員権などに手を出してしまいがちです。

結果として借入総額は減らず、気づけば実質的な「債務過多」に陥っている。こうしたケース
を、私は現場で何度も見てきました。

経営は「内部留保を高めるゲーム」である

財務の視点から言えば、企業経営の本質は「内部留保(会社に貯まるお金)をどれだけ厚くで
きるか」という一点に尽きます。目先の税金を減らすことや、借りられる額を増やすことがゴール
ではありません。

  • 適正に税金を払い、キャッシュを残す
  • 無駄な支出を抑え、内部留保を厚くする
  • 本当に必要な時だけ、戦略的に借入を使う

この極めてシンプルな原則を守り抜けるかどうかが、10年、20年と続く「儲かる会社」の境界線
になります。

今日の問い

 「うちは、節税が目的になっていないか?」

 「その借入は、本当に今の自社に必要か?」

一度、自社の預金通帳と借入返済表を見つめ直しながら、考えてみてください。 その違和感が、
財務体質を変える第一歩になります。

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その決断の、一歩手前で。 まずは、現在地を整理する
ところから。

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