社外CFOとは?役割・税理士との違い・必要になるタイミング|大阪の実務家が解説

社外CFOとして仕事をしていると、

経営者からよく聞く言葉があります。

「税理士さんはうちもいるんです。でも、こういうことは誰に相談したらいいのか分からなくて」

こういうこと、というのは税金の話ではありません。

この記事では、税理士と社外CFOの違いを、中小企業の経営判断という視点から整理します。

「この設備投資、本当にやって大丈夫なのか」
「人をもう採用計画について、資金繰りは大丈夫か」
「銀行から融資を勧められたが、今借りるべきなのか」
「利益は出ているのに、なぜかお金が残らないのか」

どれも、経営者にとっては重要な問題です。

でも、税理士がいるのに、なぜこうした悩みが残るのでしょうか。

先に結論を言うと、税理士とCFOでは役割が違うからです。

そして、もう一つ。

多くの中小企業に、常勤のCFOを一人雇う必要はありません。

必要なのはCFOという肩書ではなく、経営判断に必要な「CFO機能」です。

税理士と社外CFOの違いは、数字を見る目的にある

税理士は、会計と税務の専門家です。

会社の取引を正しく処理し、試算表や決算書を作り、
税務申告を行う。税務上の判断や税務調査への対応も担います。

会社経営に欠かせない存在です。

ただ、税理士との打ち合わせが、次のような内容で終わっている会社も多いのではないでしょうか。

「今月の売上はこれくらいでした」
「利益はこれくらい出ています」
「決算では税金がこれくらいかかりそうです」

もちろん、どれも大切な話です。

しかし、経営者が本当に知りたいのは、その先です。

この数字を見て、次にどう動けばいいのか。

税理士が数字をまとめる人だとすれば、
CFOは、その数字を経営判断につなげる人です。

経理担当者、税理士、CFO・社外CFOは、同じ会社の数字を扱いますが、役割と見る時間軸が異なります。

CFOは、決算書を作る人ではない

CFOは、

Chief Financial Officerの略で、日本語では「最高財務責任者」と訳されます。

少し大げさな肩書に聞こえるかもしれません。

ただ、役割はシンプルです。

会社のお金と数字を使って、経営者の判断を支えること。

たとえば、次のようなことを考えます。

  • 今後の資金繰りは大丈夫か
  • 設備投資をしても返済できるか
  • 人を採用した場合、固定費はどこまで増えるか
  • 銀行から、いくらを、どの条件で借りるべきか
  • 事業承継やM&Aを、どの順番で進めるか

会社の数字を見て、正しいか間違っているかを確認するだけではありません。

数字を使って、未来の選択肢を整理します。

「借りられるか」ではなく「借りるべきか」。

「利益が出るか」だけでなく、「計画を下回っても会社は持つのか」。

ここまで考えて、初めて経営判断に使える数字になります。

会社が成長しても、社長の時間は増えない

創業当初は、社長一人で会社全体を把握できることもあります。

社員の顔も見える。
取引先の状況も分かる。
預金残高や支払い予定も、ある程度は頭に入っている。

でも、会社が成長すると、判断することが増えてきます。

社員が増える。
借入が増える。
設備投資が必要になる。
取引銀行が増える。
事業承継や組織の問題も出てくる。

会社が大きくなるほど、経営判断は変数が増えて複雑になります。

でも、会社が成長しても、社長の一日は24時間のままです。

すべてを自分で把握し、考え、決断するには限界があります。

会社が成長すると、資金繰り、採用、投資、銀行交渉、組織管理、事業承継など、社長が抱える判断は増えていきます。

中小企業に常勤CFOを一人雇う必要はない

では、社内にCFOを採用すればよいのか。

私は、多くの中小企業には、

常勤CFOを一人置く必要はないと考えています。

理由は単純です。

CFOが必要な場面はあっても、毎日一人分のCFO業務はありません。

資金調達や設備投資、銀行交渉、事業承継など、重要な局面では専門的な判断が必要になります。

でも、それが毎日続く会社ばかりではありません。

常勤で採用すれば、給与だけでなく、社会保険料や採用費もかかります。

そもそも、経験のあるCFO人材は簡単には見つかりません。

経理に詳しい人と、経営者の判断を支えられる人はまた別です。

CFOには、数字の知識だけでなく、銀行との交渉力や、経営者の考えを整理する力が必要です。

時には、社長に対して、

「それは、今やるべきではありません」

と言わなければならないこともあります。

経歴が立派でも、社長との相性が合わなければ機能しません。

その意味でも、最初から常勤CFOを一人採用するのは、

中小企業にとって負担もリスクも大きいと思います。

必要なときに、必要なCFO機能を補う

そこで選択肢になるのが、社外CFOです。

社外CFOは、毎日会社に常駐するのではありません。

月次の数字を確認したり、経営会議に参加したり、設備投資や採用、銀行交渉など、判断が必要な場面で経営者を支えます。

つまり、CFOを一人雇うのではなく、必要なCFO機能を社外から取り入れるという考え方です。

社外CFOの役割は、会社によって異なります。

資金繰りが課題の会社もあれば、銀行対応を整理したい会社もあります。

設備投資や採用の判断に迷っている会社もあれば、事業承継を進めたい会社もあります。

すべてを社外CFOだけで行うわけではありません。

経営者、経理担当者、税理士、金融機関、必要に応じて弁護士や司法書士などとも連携しながら、会社に足りない機能を補っていきます。

UKパートナーズが提供する社外CFOのサービス内容と料金は、こちらのページにまとめています。

税理士と社外CFOは、競合する存在ではない

社外CFOの話をすると、

「税理士を変更しないといけませんか」

と聞かれることがあります。

基本的に、その必要はありません。

税理士と社外CFOは、

どちらか一方を選ぶ関係ではありません。

税理士には、会計や税務を支えてもらう。

社外CFOは、その数字を使って、資金繰りや借入、投資、採用などの経営判断を支える。

役割が違うだけです。

むしろ、税理士に税務も財務も銀行交渉も経営判断も、すべて求める方に無理があります。

それぞれの専門家が役割を分担した方が、会社にとっても経営者にとっても健全です。

社外CFOが役立つ会社とは

すべての中小企業に社外CFOが必要なわけではありません。

社長自身が数字を把握し、資金繰りや銀行対応にも不安がなく、
社内に相談できる人がいるなら、無理に社外CFOを置く必要はありません。

一方で、次のような状況であれば、検討する価値があります。

  • 売上は伸びているのに、お金が残らない
  • 採用や設備投資の判断が増えてきた
  • 借入や取引銀行が増え、全体を把握しにくい
  • 試算表を見ても、次に何をすべきか分からない
  • 事業承継やM&Aを考え始めた
  • 社長が経営判断を一人で抱えている

AIに聞けば答えは出る。でも、何を聞くかが分からない

今は、資金繰りや設備投資についてAIに質問すれば、

一般的な考え方や計算方法はすぐに出てきます。

私自身も、AIは便利な道具だと思っています。

ただ、実際の経営相談では、そもそも何を質問すればよいのかが整理されていないことが少なくありません。

視座がなければ、問題に気づかず、質問する発想自体が出てこないからです。

たとえば、「社員を一人採用しても大丈夫か」という問いだけでも、確認することはたくさんあります。

現在の資金繰り、借入金の返済、粗利益率、採用後の教育期間、既存社員の負担、今後の売上見込み。

会社によっては、設備投資や事業承継、社長個人の資産状況まで関係してきます。

経営には変数が多く、一般的な回答がそのまま会社にフィットするとは限りません。

何度も質問を変えて調べているうちに、情報は増えたのに、結局判断できない。そんなこともあります。

一見、顧問料を使わずに済んだように見えても、判断が遅れた時間の損失は、顧問料よりはるかに大きくなることがあります。

投資のタイミングを逃す。
資金調達が後手に回る。
問題への対応が遅れる。
社長が考え続け、本来やるべき仕事に時間を使えない。

社外CFOの価値は、正解を知っていることだけではありません。

何を問題として捉えるべきか。
どの数字を確認するべきか。
どの順番で判断するべきか。

それを経営者と一緒に整理し、遠回りを減らすことにあります。

だからこそ、私が社外CFOとして大切にしているのは、
社長に代わって答えを出すことではありません。

会社の数字と社長の考えを整理し、選択肢を見えるようにすることです。

答えを押しつけるのではなく、社長が納得して決断できる状態をつくる。

言い換えれば、社長の思考のノイズを整える仕事です。

必要なのは、肩書ではなく、一緒に考える相手

税理士がいる。

試算表もある。

それでも、経営判断を相談する相手がいない会社は少なくありません。

だからといって、

常勤CFOを一人採用する必要もありません。

必要なのは、立派な肩書ではなく、

重要な判断をするときに、会社側の立場で数字を整理し、一緒に考える相手

です。

経営者が一人で抱えてきた判断を、数字を根拠に一緒に考える。

それが、UKパートナーズの考える社外CFOです。

ご相談について

「税理士はいるが、財務や経営判断を相談できる相手がいない」

「常勤CFOを雇うほどではないが、数字を見ながら一緒に考えてほしい」

そんなときは、現在の状況や気になっていることをお聞かせください。

資金繰り、借入、設備投資、採用、事業承継など、まだ課題がはっきり整理できていない段階でも構いません。お話を伺いながら、何から考えるべきかを一緒に整理します。

初回の対話がどのように進むかは、初回対話の流れをご覧ください。

まずは、相談したい内容をお問い合わせフォームからお送りください。

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